
国生みの夫婦神
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)伊邪那美命(いざなみのみこと)
神世七代の七代目。日本を創造した男女神。
2神は天の浮橋に立ち、矛を海の中に差し入れ引き上げるとその先端からぽたぽたと落ちて固まり島となったのが 淤能碁呂島(おのころじま)。
神話では淤能碁呂島は 兵庫県淡路島の沼島や友ヶ島、絵島、自凝島(おのころじま)神社などの候補地がある。
伊邪那岐命・伊邪那美命から生まれた島々と神々
- 蛭子神(ひるこのかみ)
- 淡島
なんと、蛭子神と淡島は未熟だったので海に流したそう。。。💦
国生み
- 淡道之穂之狭別嶋〈淡路島〉
- 伊予之二名嶋〈四国〉
- 隠伎之三子嶋〈隠岐諸島〉
- 筑紫嶋〈九州〉
- 伊伎嶋〈壱岐島〉
- 津嶋〈対馬〉
- 佐渡嶋〈佐渡島〉
- 大倭豊秋津嶋〈本州〉
- 吉備児島〈岡山〉
- 知訶嶋〈五島列島〉
計14の島が誕生した - 大戸日別神(おおとびわけのかみ)〈門の神〉
- 天之吹男神(あめのふきをのかみ)〈屋根の神〉
- 大屋毘古神(おおやびこのかみ)〈建物の神〉
- 大綿津見神(おおわたつみのかみ)〈海の神〉
- 速秋津日子神(はやあきづひこのかみ)〈川の神〉
- 大山津見神(おおやまつみのかみ)〈山の神〉
- 鳥之石楠船神(とりのいわくすぶねのかみ)〈船の神〉
- 大宜都比売神(おおげつひめのかみ)〈穀物の神〉
- 火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)〈火の神〉
伊邪那美命から生まれた神
多くの神々を生み出した伊邪那美命は 火之迦具土神〈火の神〉を生んだ際に大やけどを負ってしまう。
伊邪那美命は次第に衰弱する中、吐しゃ物や糞や尿からも神を生みだす。
- 尿→和久産巣日神(わくむすびのかみ)♂・弥都波能売神(みつはのめのかみ)♀
- 糞→波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ)♂・波邇夜須毘売神(はにやすびめのかみ)♀
- 吐瀉物→金山毘古神(かなやまびこのかみ)♂・金山毘売神(かなやまびめのかみ)♀
黄泉の国
伊邪那岐命は亡くなった妻が忘れられなくて、妻のいる黄泉の国に遭いに行くが伊邪那美命に断られてしまう。
伊邪那美命は黄泉の火で調理したものを食べてしまっていたのです。
しかも出産の際にやけどをおってしまい容姿も変わってしまっていた。
その姿を愛する人には見られたくない・・・でも逢い
その間「絶対に覗かないでくださいね」と言われた伊邪那岐命だが、約束を破って覗いてしまった。
最愛の妻の醜い姿を見てしまった伊邪那岐命はなんと地上に逃げ帰ってしまう💦
別離
黄泉の国から逃げ帰った伊邪那岐命は黄泉平良坂(よもつひらさか)の入口を千引の岩で塞ぎ追ってきた伊邪那美命に別れを告げる。
黄泉平良板の伝承が残る、島根県松江市には伊邪那美命を祀る揖夜(いや)神社が鎮座している。
伊邪那岐命から生まれた神々
妻の伊邪那美命が亡くなる原因になった火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)を伊邪那岐命は十拳の剣で切る。その時、十拳の剣についた血から生まれた神々
- 石拆神(いわさくのかみ)〈剣の先端の血から生まれた〉
- 根拆神(ねさくのかみ) 〈剣の先端の血から生まれた〉
- 石筒之男神(いはあつつのをのかみ) 〈剣の先端の血から生まれた〉
- 甕速日神(みかはやひのかみ) 〈剣の根本の血から生まれた〉
- 樋速日神(ひはやひのかみ) 〈剣の根本の血から生まれた〉
- 建御雷神(たけみかづちのかみ) 〈剣の根本の血から生まれた〉
- 闇淤加美神(くらおかみのかみ) 〈剣の柄の血から生まれた〉
- 闇御津羽神(くらみつはのかみ) 〈剣の柄の血から生まれた〉
黄泉国から戻った伊邪那岐命は 九州の日向(今の宮崎)の小門にある阿波岐原(あわぎはら)「みそぎ池」で死の穢れを清めようと禊払いをした。
この行為は現在の禊の儀礼や、神社の手水舎で手を清める慣わしのルーツになっているそうです。
全身水に入りしっかりと体を清めると実にたくさんの神が生まれたそうです。
三貴子
- 天照大御神(あまてらすおおみかみ)左目を洗ったときに生まれた神
- 月読命(つくよみのみこと)左目を洗ったときに生まれた神
- 須佐之男命(すさのおのみこと)鼻をあらうと生まれた神
陸路を司る神
- 衝立船戸神(つきたてふなどのかみ)
- 道之長乳歯神(みちのながちはのかみ)
- 時置師神(ときおかしのかみ)
- 和豆良比能宇斯能神(わづらいのうしのかみ)
- 飽咋之宇斯能神(あきぐいのうしのかみ)
海路を司る神
- 奥疎神(おきざかるのかみ)
- 奥津那芸佐毘古神(おきつなぎさびこのかみ)
- 奥津甲斐弁神(おきつかいべらのかみ)
- 辺疎神(へざかるのかみ)
- 辺津那芸佐毘古神(へつなぎさびこのかみ)
- 辺津甲斐弁羅神(へつかいべらのかみ)
災いと清めの神
- 八十禍津日神(やそまがつひのかみ)
- 大禍津日神(おおまがつひのかみ)
- 神直毘神(かむなおびのかみ)
- 大直毘神(おおなおびのかみ)
- 伊豆能売神(いづのめのかみ)
海の神 (綿津見三神・住吉三神)
- 底津綿津見神(そこつわたつみのかみ)
- 中津綿津見神(なかつわたつみのかみ)
- 上津綿津見神(うわつわたつみのかみ)
- 底筒之男命(そこづつのおのみこと)
- 中筒之男命(なかづつのおのみこと)
- 上筒之男命(うわづつのおのみこと)
国生みの夫婦神、伊邪那岐命と伊邪那美命ですがロマンティックというよりは、ハードですね。
人間味あふれると言えばそうとも言えるけど 島を生んだり火まで生んだのにやけどしちゃうし、死んじゃうし…。
伊邪那美命から声をかけて生まれた子が蛭子神で、ヒルのように骨のない子だったからと船で流したことには驚愕したけれど、のちに海からやってきた来訪神 恵比寿さまとしてよみがえった話が好きです。
禊をして生まれた子が太陽神である天照大御神というところで 禊ぐことのすごさ大切さを感じたりもします。
伊邪那岐命・伊邪那美命がご鎮座されている主な神社
- 伊弉諾神宮 伊邪那岐命が余生を過ごしたとされる
- 自凝島神社 伊邪那岐命と伊邪那美命が日本の島々や神を生んだとされる地
- 江田神社 伊邪那岐命が黄泉の国の穢れを落としたとされるみそぎ池がある